産卵のための準備

【準備は前年から】

らんちゅうは春に卵を産みます。

しかし、春になってエサを与えればすぐに産むというものではなく、まずは 前年の秋に十分な手入れをしてこそ、春の良い産卵につながります。

春に咲く花は、前年の秋には、しっかりつぼみを付けていますが、らんちゅうもこれ同様です。

【水温について】

春の初めは三寒四温のように、強い寒気とやわらかな暖かさの繰り返し。

とはいえ、メス腹に抱えている卵を早春からヒーター等で温めればよいという事ではなく、 早い時期からそのような水温にするとかえってお腹の卵は育たずに、メス親 そのものが育ち過ぎてしまいそして難産になったり、死んでしまいやすいと言われています。

【餌付けについて】

「種親」としてまず大事なことは、健康で元気に泳いでいるかということ。そして多すぎる餌付けを控える事。

ついつい早く産ませたいために、 エサをやり過ぎ、親魚がポカンとして泳がなくなることがあります。

【オスとメスの環境】

冬眠明けの初エサから一ヵ月近くは「メスとオス」を分けずに、ほどほどに メス腹もふっくらしてきて、種オスも元気に泳ぎ追星がハッキリと見られるようになってきたら池(水槽)を分けます。

分けた種オスは種メスよりやや水温を上げ(20度近く)、産卵用の草などを 入れておくと早めに発情し、準備が出来てきます。

産卵する1腹目は水温が20度以上あった方がスムーズに産卵します。 産卵させる時は「種オスと種メス」を朝9時~10時ころまでに産卵用池に 移すと翌日に産むことはありますが、普通は翌々日の朝に産卵することの ほうが多いです。

3日以上その気を見せない場合はまだその時期に至って いないと考え、一度「オスとメス」を離し、頃あいをみてからもう一度 チャレンジするのが良いでしょう。

【種親の選び方】

良いらんちゅうを生んでもらうためには、「親魚の選び方」が非常に重要です。しかし、こればかりは産ませてみないと、本当に良いらんちゅうを生んでくれるかわからないというのが本音です。

”下手な鉄砲も数打てば当る”というわけではありませんが、かといって、「品評会でとった”大関”どうしをかけ合わせても、当たったためし無し」と 言われるほど、種親選びは難しいです。

品評会用の魚はその場で見れば分かりますが、良い種親は見るだけでは分かりません。

ただし、らんちゅうにとっての 肝心要「尾型」が種親としても最も重要な部位であることは変わりません。 突っ張っただけの尾や尾付けのあまい(扇子を開いたような八の字の尾型) は、種魚は選ばない事が大切と考えられています。

そこで「系統」という事が大事になります。 良い系統を受け継いだ魚は一般的に仔も安定し、とんでもない魚ばかりが出るということはあまりありません。 「歩(ぶ)留まり」がグンと違ってくるのです。

大切な限りある時間と労力をつかっての大人の趣味ー遊びです。 先々まで心から愉しんで頂きたいと思っております。

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